- 平成23年7月29日(金)17:50-21:00 医学部第3?第4会議室
- タスクフォース:赤池雅史?三笠洋明(医学部教育支援センター)
基礎系ならびに臨床系分野から21名の参加があり、ミニレクチャーと2つのワークショップを行いました。参加者によるポストアンケートで は、全項目平均で4.81点(5点満点)と昨年を上回るご評価をいただき、好評でした。参加していただいた諸先生方、本当にありがとうございました。
■WS1「医学科4年次に何を学ぶべきか」
卒業時点でのアウトカムと現在のカリキュラムをふまえて、臨床実習開始前の1年間(医学科4年次)で何を学ぶべきかをテーマに、KJ法でプロダクトを作成し、全体討論を行った。自己決定型学習、臨床推論、プレゼンテーション等、臨床実習を行う上で基本となる能力の習得が重要であるとの意見が出るとともに、答えのないテーマ(生命倫理、人工授精、高齢化社会、脳死など)について考え、ディスカッションする学習も必要であるとの指摘があった。
■ミニレクチャー「PBLチュートリアル教育とは」
医学部教育支援センター?赤池雅史
医学教育改革の背景、ブレインストーミング、学習のピラミッド、成人教育学に基づく教育方法、学習者のやる気を支援するTARGETモデル、経験と省察を含む経験的学習サイクル、reflective practitioner等の内容を踏まえて、PBLチュートリアルの目的および具体的な進め方について解説を行った。 現在のPBLチュートリアルシナリオは臨床症例であるが、4年次の段階では診療マニュアルの丸覚えにならないように、基礎医学的知識と臨床医学的知識の統合?連携を学生に促し、考える習慣をつけさせる必要性があることが説明された。特に、診療現場においては、在院日数短縮、臓器別診療への移行、職種間分業の徹底、病診連携の推進、診療ガイドラインやクリティカルパスの普及等をうけ、「卒業後に少数の受け持ち患者を担当する過程で、自らじっくりと考え、自然に思考力?総合力を身につける」ことが困難になりつつあり、卒前教育と卒後研修の連携の必要性が強調された。さらにPBLチュートリアルは自己学習のきっかけであり、これのみで 系統的知識を全て習得させることは困難であること、授業の大部分は従来の講義形式で行われており、この臓器疾患別講義の内容や系統性を改善することが重要であることが指摘された。
■WS2「効果的なPBLチュートリアルシナリオ作成」
1)学習内容の量と質が、4年次4~12月の学習段階に適している、2)基礎医学、臨床医学、社会疫学、行動科学の学習項目をすべて含む、3)臨床の文脈の中で学生自身が考えることが可能、4)学生のグループ討論が活発になる、5)学生の自己決定型学習が促進される、6)チューターによるファシリテートがやりやすい、の6つの条件を満たすシナリオ案の作成を参加者全員が行った。