徳島大学病院は、白血病?悪性リンパ腫などの血液がんに対する新しい免疫療法である遺伝子改変免疫細胞療法(CAR-T細胞療法)を導入します。CAR-T細胞療法は、患者の免疫細胞をいったん体外に取り出し、遺伝子操作を加えて患者のがん細胞への攻撃力を高めた後に、再度患者体内へ戻す細胞療法です。患者自身のT細胞を採取し、キメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を導入し、増殖させた後、患者に再注入します。このCAR-T細胞は、がん細胞を特異的に認識し、攻撃する能力を持つため、従来の化学療法に効果がない難治性の血液がんに対しても効果が期待されます。一方、正常組織への反応は軽度であり、比較的副作用が少ないため、これまで治療法が限られていた70歳代の高齢者にも適応可能です。今後、県内外の施設と連携し、適応となる患者の受け入れを開始、難治性血液がんに対して広い年齢層に適応可能な治療法として本格的に導入します。
徳島大学病院は以前より造血幹細胞移植の基幹施設であり、特に最近では高齢者や合併症を有する血液がん患者に対しても、根治的な造血幹細胞移植を実施しています。今回の新規治療法の導入を受けて、現在の「細胞治療センター」を「移植?免疫細胞療法センター(TCU)」に改称予定であり、造血幹細胞移植とCAR-T細胞療法を中心とした免疫細胞治療分野において四国における拠点化を進めます。
【プレスリリース】難治性血液がんに対する遺伝子改変免疫細胞療法を開始?造血幹細胞移植?免疫細胞療法の基盤拠点へ? (PDF 120KB)