筋萎縮ゼロプロジェクト;重症患者における尿中タイチンによる筋萎縮の評価

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徳島大学病院集中治療部 中西信人助教は、ICU入室重症患者の筋萎縮評価に関する研究を米国集中治療医学会雑誌「Critical Care Medicine」から出版しました。

発表のポイント
 ?筋萎縮ゼロプロジェクトで応援頂いた研究である。
 ?尿中タイチンという物質による筋萎縮の評価、筋力低下の評価が可能である。
 ?追加の採血やエコー検査もなしで、尿中の物質で筋萎縮の評価が可能である。

発表概要
 尿中タイチンの測定がICU入室患者さんの筋萎縮や筋力低下の評価に有効であることを発見した。

発表内容
 ICU患者では著明な筋萎縮を来す場合があるが、筋萎縮の評価に有用なバイオマーカーは明らかではない。近年、筋萎縮に関連するバイオマーカーとして尿中タイチンが注目されている。タイチンは34000個以上のアミノ酸から構成される筋原線維の構造タンパク質であり、筋崩壊を伴う筋ジストロフィー患者の尿中タイチン濃度は、健常人の100倍にも増加する。本研究では、ICU入室患者の筋萎縮の推移と尿中タイチン濃度について調査した。徳島大学病院および徳島県立中央病院ICUに3日間以上入室が見込まれる成人の非術後患者を対象とした。術後患者は筋肉の侵襲を伴うため除外した。筋萎縮の評価としてICU入室1、3、5、7日目に超音波を用いて大腿直筋の筋断面積を測定した。
 尿中タイチン濃度は、ICU入室1、