最先端研究探訪 (とくtalk133号 平成20年10月号より)

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大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 生体情報内科学
粟飯原 賢一 あいはら けんいち

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動脈硬化症早期発見の研究に取り組む

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先端工学技術が医学の世界を開く

かつては中年太りなどと呼ばれていたお腹の出っ張りは、内容とは裏腹にメタボリックシンドロームという一見スマートな名前が付けられ、中高年層だけでなく若年層にまで浸透しています。

大きな原因として、食生活の欧米化や運動不足が指摘されています。メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積による腹部肥満を基盤として、脂質代謝異常?高血圧症?高血糖などの代謝異常の複合病態を総称したものですが、これが心血管病を増加させることがわかっており、その予防や対策が国民的課題になっています。

粟飯原先生は現在「動脈硬化症」を専門に研究に取り組んでいます。手足などは動脈がおのおの二本ずつあるのに対して、心臓や脳は終動脈と呼ばれ、動脈が一本しかないために動脈硬化症が原因で閉塞を起こすと脳梗塞や心筋梗塞を発症してしまいます。そして血液が循環しなくなることで障害を受けた脳や心臓は、元の健康な状態には戻せなくなります。そのために早期発見がとても大事なのです。

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HCIIはPCI後のステント再狭窄や頸動脈硬化を抑制する

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動脈硬化の危険因子としてコレステロールや高血圧など良く知られていますが、動脈硬化発症のメカ