*ヒトの腸管内には、500-1000菌種,1013-14 cells/全腸の常在菌が住み着き、ヒトの健康にさまざまな 影響を及ぼしている。成長過程でのヒト-腸内菌の相互作用により、個人ごとに固有の腸内菌叢が 形成され、共生関係が結ばれる。そのバランスが崩れると炎症性腸疾患や免疫関連疾患を発症しや すくなる。さらに、2型糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病と腸内菌との関連が注目されている。
*動物モデルおよびヒトの腸内菌叢の分子生物学的解析により、疾病の発症リスクと腸内菌叢の関連、 リスクを予測および低減させるための腸内菌に着目した方策を明らかにしたいと考えています。
1)健康人と患者の腸内菌叢および腸内環境の比較解析
2)食品成分による腸内菌叢を介した疾病予防効果
3)食品成分が腸内環境および疾病のリスクに及ぼす影響
4)日和見感染症に対する常在菌の抑制作用
*学生の皆さんには、難培養性腸内菌を対象とした研究を通して分子生物学的検査法や感染症発症のしくみについての理解を深め、院内感染などへの対応力を身につけてほしいと考えています。