実践栄養学分野は、昭和42年4月に徳島大学医学部栄養学科に開設された病態栄養学講座(現 臨床食管理学分野)と共に最も若い講座(今では分野と呼びますが)です。開設以来、初代佐藤登志郎教授(昭和42-45年)、二代目手塚廣朋通教授(昭和46-50年)、三代目岸野泰雄教授(昭和51-平成8年)、四代目山本茂教授(平成9-18年)の舵取りによって教室の輝かしい歴史が作られてきており、平成19年からは私が教室を主宰しております。歴代教授の偉大な業績には及びませんが、先陣たちにひけをとらぬよう日々若い人と共に努力をしております。

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 学部教育では、主として「公衆栄養学」と「給食経営栄養管理学」を担当しています。「公衆栄養学」とはどんな学問なのでしょう?簡単に言えば“人間集団の健康問題”に“栄養的因子”がどのように関係しているかを明らかにして、その得られた結果を人々の健康に結びつく栄養改善事業や栄養政策に活かすことを目的としています。では「給食経営栄養管理学」はどうでしょうか?皆さんのまわりで多数の食事を提供している施設はありますか?身近な施設としては学校給食、病院等が思い浮かぶ人が多いと思います。それらの施設はたくさんの食事を提供しているだけではなく、栄養学的および食品衛生学的に厳密な管理をしています。さらにコスト的な面も考慮され、おいしく、栄養バランスにすぐれ、安全であり、お手頃な値段で提供できるような食事を多数の方に提供することが目的です。他の栄養系実習と異なり、実習中に試験管を振ったり試薬を用いて実験することはありません。パソコンを用いた食事調査、献立作成、大量調理等の実習を行っています。“食”といった観点からは、栄養学科で最も身近な教室かも知れません。

 研究はどうでしょうか?岸野泰雄教授の時代、私は学部生?大学院生として在籍していました。岸野教授は“栄養と免疫機能”を教室のテーマにしており、その流れを引き継ぐ形で、現在でも“栄養と免疫”の研究を行っております。また、徳島県特産品であるスダチ(わからない人もいるかもしれませんが)に含まれる成分に関しても研究を進め抗肥満作用があることを見いだしました。現在、抗肥満以外の機能性研究を進行中です。学内における共同研究として、糖尿病対策センターの船木真理教授と“徳島県における糖尿病コホート研究”を行っています。研究は、学部教育とはかなり異なった事を行っています。過去には、実践栄養学分野で動物を用いた実験をしていてびっくりしたと言った卒論生も過去にはいました。平日は、部屋のドアは常に空けてあります。研究に限らず、何か質問があれば気軽に訪ねてください。

 ここ3年間、新型コロナウイルス感染症により講義、実習なにより学生との交流が制限された生活を強いられましたが、最近は以前の日常に戻りつつあります。卒業あるいは修了後も実践栄養学教室で学んで良かったと思われるよう、研究に勤しみ、教室行事を充実させたいと思います。

 お互いに弱みをカバーしながらワンチームのしっかりとした組織を構築し教育および研究に邁進したいと思います。実践栄養学分野へのご支援のほどお願いいたします。

実践栄養学分野            酒井 徹

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