SIH 道場では専門分野の体験学習(早期体験)を行います。専門分野における先端研究の体験を通して、専門分野に対する興味関心を高め、徳島大学での学修や研究
に意欲的に取り組んでいくための心構えを身につけます。
体験学習に臨む前に以下の点を確認し、有意義な機会となるように準備しましょう。
◇ なぜ専門分野を体験するのか
◇ 体験の前にどのような準備をしたらよいのか
◇ 体験学習にどのような心構えで臨めばよいのか
本節では、「専門分野の体験学習」のポイントを説明していきます。
- 学修目標
- 体験学習の目標を説明できる。
- 体験学習のための準備(事前学習)を行うことができる。
- 体験学習から気づきを得ることができる。
1.専門分野を体験しよう
SIH道場で専門分野を体験する理由
みなさんは、所属する学部?学科などでの学修や大学生活について、イメージを描いているでしょうか。大学では、自分が所属する学部?学科に関連する学問分野のみを学ぶわけではありません。卒業後に職業人として働くうえでは、幅広い視野でものを見て、倫理的に考え、行動できるような人間性が求められます。そのため、専攻する学問分野を集中的に学ぶ前に、教養教育院のカリキュラムを通して、幅広い分野の学問を学び、大学での学修に必要な基礎や、人間性や倫理観、言語運用能力、専門分野に関する基礎的な知識を身につけていきます。
SIH道場のプログラムでは、大学での学修の基礎となるラーニングスキルや、学修に対して意欲的に取り組む態度や振り返りの習慣を体験学習(専門分野の早期体験)を通して身につけて行きます。専門分野の学びの入り口に立つ体験によって、これから専門分野で学んでいく学問の内容やその先にある職業のイメージを掴み、学修への意欲を高めることができます。
体験学習を通して知ることができるのは、主に次の3つです。
1.専門分野で現在どのような研究が行われているのか
2.数年後に、自分がどのような「探究」を専門分野で行っていくことになるのか
3.卒業後にはどのような進路や現場が待っているのか
体験学習の評価の観点には、「1)事前学習」「2)体験学習中の行動」「3)体験学習後の気づき」「4)専門分野への理解」の4つがあります。体験学習(専門分野の早期体験)ルーブリック評価表.pdf (PDF 164KB)で、「(A)期待通りです」「(B)まずまずです」「(C)努力しましょう」のそれぞれの尺度に該当する内容をあらかじめ確認しておきましょう。
SIH道場での体験学習が、将来の研究や職業に関する見通しだけでなく、想定外の興味?関心をもたらす機会になることを心より願っています。
2.「体験」の前に準備しよう
体験から自分自身の気づきを得よう
SIH道場で実施されている体験学習の内容は、学部学科等によって異なっています。先端研究の見学や体験、現場実習や臨床体験、芸術に触れる体験を直接的に行ったり、先輩や現場で働く人からのメッセージを聴くという形で間接的に体験したりなど、さまざまです。観たり聴いたり、作業したり、という体験のなかで、あるいはその体験の後で、振り返り(内省)を行うことで、体験からの「気づき」を引き出すことができます。この「気づき」を得ることで、専門分野への理解はさらに深まっていくことでしょう。
しかし、ただ現場に行って「体験」すれば、専門分野に関する「気づき」が自動的に得られたり、理解が深まったりする、というわけではありません。何の事前準備もなしに体験学習に臨んだのでは、単に「体験した」という事実とその場かぎりの感想しか残らない、ということになってしまいがちです。
体験学習を有意義なものにするためには、体験のための準備が必要です。観光旅行に行く前にガイドブックや地図で行先について調べて計画を立てた場合の方が、有意義な体験になるのと似ているかもしれません。ガイドブックを見ておおよその見当をつけていても、実際に現地に行ってみると思っていたのとは異なる感想?気づきが得られるものです。こうした感情?気づきは、事前の準備が十分なものであればあるほど深くなります(「専門分野について本を読んで?と思っていたけれども、臨床体験を行い、現場の人の話を聴いて、研究のやりがいが別の部分にもあることを実感できた」など)。事前学習によって学んだ知識や情報を使って体験学習を行うことで、学問分野での学びに関する理解を深めていくことができます。事前学習を十分に行うことで、体験学習が自分にとって意義あるものになるようにしていきましょう。
事前学習のためのポイント
□体験学習の中身について知り、必要となる準備が何かを考える
*事前学習の内容については、学部学科によって異なります。
⇒授業担当の先生の指示にしたがいましょう
□体験学習の内容に関連する本や資料を読んでおく
□現場の人に質問したい疑問点を考える
活動した内容は「ワークシート:サンプル(体験学習).pdf (PDF 99KB)」等に書き出してみるとよいでしょう。
*ワークシートの使用については、授業担当の先生の指示にしたがってください。
3.「体験学習」を行う
体験学習においては、事前学習を活かして積極的に取り組みましょう。ぼんやりと話を聴いたり、漫然と観たり、ただその場にいるということにならないよう、体験学習の目標を意識しながら能動的に参加しましょう。そして、観たり聴いたり、作業したりしながら、振り返り(内省、リフレクション)を行い、体験から「気づき」を引き出しましょう。
積極的に体験するための心がけ
□先頭に立って作業に加わる
□1回以上質問する
□疑問点や気づきをメモする
□自分の思考を時折振り返る
また、体験学習を行う際には、以下の点に注意して、作業したり、現場の方や先輩の話を聴きましょう。
体験学習のための心構え
□開始時間までに間に合うように参加する(遅刻しない)
□挨拶をきちんとする
□正しい姿勢で話を聴く(行儀よくする)
□集中力を保って話を聴く(スマホや携帯端末を触らない)
4.体験学習後の気づきを得よう~専門分野の学修に向けて~
体験学習の後には、体験を通して得られた気づきを、事前学習で学んだ内容と関連づけましょう。そうすることで、体験学習で得られた気づきを、これからの大学での学修に活かすことができます。
まず、1)自分が体験学習において何を行い、何を学んだのか、次に、2)事前学習において、自分が学んだことを振り返って、それぞれ書き出してみましょう。そして、3)事前学習で学んだことと体験学習で学んだこと(気づき)を関連づけてみましょう。例えば、「実際の体験では、工場で実習を行い、作業の難しさを実感した。事前学習として、実習の手順について教科書を見ながら予習し、体験学習の当日に臨んだけれども、機械を使ってやってみると思うようにはいかなかった。具体的には△△△。これからは、○○○をもっと勉強していきたい」などの関連づけを行うことができます。みなさんの身近には学識豊かな先生、少し先を行く先輩もいますし、図書館には関連する資料も揃っています。体験学習で得られた気づきをきっかけに、知的好奇心を広げて大学での学修に貪欲に向かっていきましょう。