徳島大学?高知大学との共同開催で
「授業について考えるランチセミナー」<形成的評価とフィードバックの方法 >が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。
■開催日時
第1回 2023年6月8日(木)12:05~12:50
第2回 2023年6月15日(木)12:05~12:50
■参加者
第1回 6月8日
57名(Zoomによるオンライン)
第2回 6月15日
50名(Zoomによるオンライン)
■コーディネーター?講師?登壇者
コーディネーター:飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
第1回 6月8日
講師:飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
第2回 6月15日
講師:飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
■内容
第1回
今月のテーマである「形成的評価とフィードバックの方法」については、その意義や方法一般について説明する「概論編」と、より具体的な評価とフィードバックの方法を紹介する「実践編」に分けて行われた。
第1回では、まず「概論編」として、形成的評価とは何か、その目的は何か、形成的評価におけるフィードバックの役割や一般的な方法を説明し、形成的評価が学生の学習の達成状況やつまづきを把握し、今後の学習や授業の改善につなげるためのものであることを示した。
その後「実践編」では、今回は選択式テストやアンケートといった方法でどのように形成的評価を行うことができるか、またフィードバックをどのように返すことができるかについて紹介を行った。とくに現在では、コロナ禍を経てmanabaに代表されるLMSやMicrosoft Forms、Google Formといったオンラインでテストやアンケートを実施し、即座にフィードバックを返すことができるツールが一般化している。そのため、とくにこれらのツールを使ったテストやアンケートの作成方法、およびフィードバックの方法について、講師が例として作成したクイズ、およびアンケートのサンプルを用いたり、実際に参加者に解答してもらう等して詳細に説明を行った。
第2回
最初に、前回(6月8日)のフィードバックとして、参加者アンケートの集計結果ならびに自由記述を紹介するとともに、前回のセミナー時に参加者から提示された質問について、講師から解答が示された。
続いて、「概論編」のおさらいとして、再度、形成的評価とは何か、その目的やフィードバックの意義?方法について簡単に説明を行った後、「実践編」として、今回はミニッツペーパーや大福帳、記述式テストやレポート等、学生に自由記述で解答させるタイプの評価方法について、どのように評価を行ったり、学生へのフィードバックを返すかについて事例を紹介した。
また、とくに自由記述式でのフィードバックの問題点として、学生への個別の返信に時間がかかる点が挙げられる。そのため、ミニッツペーパーに個別返信を希望する欄やクラス全体でのフィードバックを希望する欄を分けるといった方法や、レポートや記述式テストではルーブリックやチェックリスト等を用いる、学生が陥りがちな間違い等をリストアップし、それを見るよう指示することでフィードバックとするといった、フィードバックに負担を軽減する方法についても提示した。
■成果と課題
参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回?第2回ともほぼ全ての回答者から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、他の設問においても回答者の大半から肯定的な回答が得られた。
第1回(6月8日) | 第2回(6月15日) | |
---|---|---|
とても当てはまる | 11 (65%) | 15 (79%) |
どちらかといえば当てはまる | 6 (35%) | 3 (16%) |
どちらかといえば当てはまらない | 0 (0%) | 1 (5%) |
まったく当てはまらない | 0 (0%) | 0 (0%) |
合 計 | 17 (100%) | 19 (100%) |
※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。
自由記述においては、第1回ではMicrosoft FormsやGoogle Formといったツールを使った形成的評価フィードバックの方法を知ることができたといった回答に加え、自分が行っている形成的評価やフィードバックについて見直す機会となったというコメントも得られた。第2回では、自分の行っている授業における評価のフィードバックの方法について示唆が得られたといったコメントが寄せられた。
オンライン授業の実施を通じて明らかになったように、学生は評価に対してフィードバックが得られない場合、徒労感が大きく増すこととなる。そのため、学生の学習や授業の改善だけでなく、どのような授業形式、人数においても、形成的評価に対してフィードバックを返すことは学生の動機づけを維持するためにも必要である。今回は概説的な方法の紹介にとどまった面もあるため、今後は実際の授業において形成的評価とフィードバックを行っている教員の事例を紹介することで、より参加者に具体的なイメージを持たせることも視野に入れたい。
■アンケート回答結果
第1回 (n=17)
第2回 (n=19)
■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
ご不明な点などございましたら,下記アドレスもしくは,電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp
電 話:088-656-7679 内線(82)7124
徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/